段ボールを活用した包装設計のポイントをご紹介させていただいております。
包装設計の手順から、段ボール包装の機能、当社のポイントまで、具体例を交えながらご紹介させていただいております。
段ボールを活用した包装に関して、お悩みをお抱えのお客様がおられましたら是非ご一読ください。
近年、ネット通販が当たり前になり買い物のあり方が大きく変わりつつあります。皆様、何気なくお使いのネット通販ですが、製品が届けられた際の「包装」について考えられたことはございますでしょうか。「段ボール」「包装」と言っても、そのポイントや機能は様々ございます。本ページでは段ボールを活用した包装設計のポイントについてご紹介させていただきます。
包装設計とは、対象の内容物(包装物・梱包物)の特性や形状によって、最もふさわしい包装の仕様を設計、作成することを意味します。内容物に応じて、包装の寸法や仕様を決定し搬送時に傷がつかないように保護をすることが主目的となります。内容物によっては、外装だけではなく、内容物の個包装や、内容物が動かないための固定材・仕切り材、衝撃緩和のための緩衝材など、様々な要素を組み合わせて包装設計を行い、梱包・開梱時の作業性や包装コストなども同時に考慮します。
中でも当社は、「段ボールの包装設計」をメインで扱っております。段ボール包装は多くの場合は輸送包装として使用されます。完成した商品をお客様までお届けする際の梱包や、製作途中の製品を工場から工場に搬送する際の梱包など、様々な場面で梱包が行われてきました。
輸送に加えて、製品の保管や荷役中に起こりうる様々な障害から内容物を保護する必要があるため、包装設計を行う際は、適切な寸法や形式、材料を決める必要があります。
輸送包装以外にも、外装自体がパッケージになるような商品価値を高める包装等もございます。本コラムでも「包装設計の機能」で一部をご紹介させて頂いております。
ここでは段ボールを活用した包装設計の手順についてご紹介をさせていただきます。一般的に包装設計を行う際には内容物と箱の形式に応じて段ボールの内側の寸法を指す内寸法を決め、輸送・搬送・保管等の物流条件を考慮して材質の決定を行います。
【例】
①包装設計の条件の把握
包装を行う内容物や輸送、保管条件等によって包装設計で重視するポイントが変わってくるため、はじめに包装設計の条件の把握を行います。
〇電気・機械製品
内容物が精密機器であるため、輸送・保管時の内容物への許容衝撃加速度に特に注意を払って包装設計を行う。
〇食品・飲料・雑貨等
内容物に強い圧力が加わってしまうと製品価値がなくなってしまうため、内容物への耐圧に特に注意を払って包装設計を行う。
〇化粧品
内容物に傷がついてしまうと製品価値がなくなってしまうため、輸送時の内容物の安定性に特に配慮して包装設計を行う。
〇パッケージ包装
包装自体が内容物のパッケージとして使用されるため、デザイン性や美粧性に特に注意を払って包装設計を行う。
包装設計の条件を把握し、注意を払うポイントがわかれば寸法の設計を行います。段ボールの内寸法は、「長さx幅x深さ」の順に「mm単位」で表記されることが一般的です。内寸法を決める際は、内容物の寸法に加えて、出し入れのしやすさや、箱の形式なども考慮する必要があります。
【例】
〇個包装を入れる場合
出し入れのしやすさを考慮して、個包装の箱寸法に2~5mm程度の余裕をもたせた内寸法の検討を行う。ただし、化粧品等、搬送時のバラツキを抑えたい場合はあえて隙間を無くして設計を行う場合もあるため、製品によって最適な寸法設計も変わってきますので、注意が必要です。
〇耐荷重の高い内容物の場合
瓶や缶詰など耐荷重が高い内容物を包装する場合は、内容物自体が荷重を支える役割を果たすため、深さ寸法に余裕を無くして検討を行う。
〇スペーサや緩衝材などを使用する場合
スペーサや緩衝材がずれてしまうと本来の包装設計の役割を果たせないため、それらが簡単にずれたり動いたりしないように、内寸法の検討を行う。
〇内容物が空気を含んだ袋の場合
外気圧の変化で内容物が膨らむ可能性があるため、膨らんだ際のサイズを考慮して寸法の検討を行う。
段ボールの包装設計を行う場合、一般的に内容物よりも内寸法に余裕を持たせて設計を行います。段ボールは厚みがあるため、内容物と同じ間隔の罫線を入れてしまうと罫線で段ボールをおった際に、段ボールの厚み分が内に入り込んでしまうため、内容物が入らなくなります。それらを回避するために、罫線は内寸法よりも少し余裕を満たせた位置に設定します。
箱を組み上げた際の外側の寸法を表します。郵送時の料金計算で用いられる段ボールのサイズです。一般的に段ボールのサイズを表す寸法はコチラの組み上がり寸法で言い表されることが多いです。
段ボールには段ボール自体の材質や、段ボールの厚み、段ボールの内部の波形状を表すフルートなど様々に要素がございます。内容物や包装設計条件、寸法等を考慮して、段ボールの決定を行います。
「包装設計とは」で段ボールの包装設計の主目的は「内容物に応じて、包装の寸法や仕様を決定し搬送時に傷がつかないように保護をすること」と説明させていただきましたが。段ボールの包装設計は様々な機能を有しております。ここでは包装設計の一部の機能をご紹介させていただきます。
高級な内容物を包装する際や、外装がそのままパッケージになる際など、内容物を保護する機能に加えて、デザイン性・美粧性を付加することが可能です。
【改善事例】
段ボールは「箱」として使用する以外にも、型を打抜いて、段ボール自体を製品として使用する場合もございます。小学校等で使用される知育教材などでは、切断面での怪我を防止するために抜き型の刃を工夫して、安全性を高めることが可能です。
【改善事例】
>抜き型の刃をウェーブ刃(波線刃)に変更し、安全に配慮した設計
段ボールを人力で運ぶ際に、内容物によっては重量が重くなり持ち運びが難しい場合がございます。そういった際に、段ボールの側面に持ち手を打抜くことで、運搬性を向上させることが可能です。
【改善事例】
ここまで、段ボールの包装設計の手順や機能についてご紹介させて頂きましたが、ここでは段ボール包装設計における当社のポイントをご紹介させていただきます。
当社では、これまで精密機器や化粧品など様々な製品の包装設計をご提案してきました。15,000点を超える提案により培われたノウハウによりお客様や内容物によって最適な包装設計の提案が可能です。
包装設計は、製品の開発段階において比較的終盤に検討される内容となります。そのため状況によっては短期間で設計から試作まで対応する必要が生じてしまいます。当社であれば設計から試作まで社内で一気通貫対応が可能であり、スピーディな対応が可能です。
段ボール包装において、段ボール包装を製造する社内設備も重要なポイントの一つになります。社内設備が整っていないとスピーディな対応ができず、お客様の急な増産や設計変更等に柔軟に対応することが難しくなります。当社であれば、印刷機・平盤打ち抜き機・フレキソフォルダーグルア・自動仕切り組み機・ワンタッチグルアなど多岐にわたる設備を取りそろえており、お客様の要求にスピーディに、柔軟に対応することが可能です。
続いて、実際に当社が製作した段ボールの包装設計の事例をご紹介いたします。
当社では、段ボールの包装・設計から製造・組立てまで一貫して対応をしています。お問い合わせをいただき、お客様のニーズにあった仕様を確定させるために打ち合わせを行い、効率的な包装・設計やコストダウンを実現するなど、最適な包装・設計をご提案させていただいています。
化粧品における包装・設計にお悩みをお持ちのお客様がおられましたら、ぜひ一度当社にご相談ください。