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エンジニアコラム

精密機器の段ボール包装設計ノウハウを一部ご紹介します。

近年の医療機器需要の増大や、AI・ロボット技術の向上、自動化システムの普及により、精密機器の流通が急速に増加しています。また、パソコンやスマートフォンといった精密機器は、最早我々の生活にはなくてはならないものとなっています。以前は発泡スチロールによる包装が大半を占めていた精密機器の包装も、昨今の環境意識の高まりやSDGsの浸透により、段ボール包装の利用が拡大しています。

精密機器(電子デバイス)

精密機器の包装仕様決定までのプロセス

精密機器(圧力調節バルブ)

精密機器は、その微細な部品を組み合わせた構造から非常に壊れやすく、取り扱いに注意を要します。その為、精密機器のサイズにピッタリと合致した梱包資材でなければ、運送時や保管時に破損のリスクを抱えることになります。 包装仕様の確定までは、形式の決定・材質の決定・寸法の決定、など様々なプロセスが必要になりますが、その一部をご紹介致します。

箱形式の決定

精密機器の包装の目的は、保管や運送など様々ではありますが、一度きりで使い捨ての運送ケースから、何往復も商品を入れ替えながら使用する通箱(かよいばこ)として使用するなど、その用途に応じて適切な梱包箱の形式を選択しなければなりません。

当社では、お客様との綿密な打ち合わせにより内容物に最適な梱包形態をご提案させていただきます。

小さく細かい付属物が多い場合、アクセサリーボックスを作成しまとめて収納し、本体を梱包した緩衝材のスペースに設置するなど、付属品との取り合わせも考慮し設計に組み込むことが可能です。

 商品を開梱した時に付属品の取り出し忘れに気が付かず発送箱を捨ててしまう、梱包作業者が付属品を入れ忘れてしまうなど、トラブルの発生を予防できるような包装設計をご提案致します。

寸法の決定

多くの精密機器の場合、帯電防止の袋やプチプチと段ボール梱包材を組み合わせて使用します。袋やプチプチの有無により、段ボールの寸法設定も変化することになります。段ボール以外の資材も併用する場合と、しない場合でのクリアランスの設定を微妙に調整し、適切な梱包サイズをご提案致します。

精密機器梱包箱

材質の決定

スチロールと違いダンボールは力が加わって変形すると復元しません。衝撃で緩衝材が変形した結果、隙間ができて内容物が外装に当たってしまう事(底づき)を防げるような、強度をもった材質の決定を行います。

大きさや重さにもよりますが、重量物の場合は複両面段ボールを使用する傾向が多くなります。軽いものや細かい加工をする場合は両面段ボールの中でも薄いものを使用します。

複々両面段ボールというさらに厚みを増したものもあり、高価ではありますが、通い函など段ボールそのものに耐久度が欲しい時や人の手で運べないような重量物で使用します。

精密機器の包装仕様設計において注意するべきポイント

突起部分(ヒンジ、ピン、スイッチ部)、もろい部分(やわらかい、変形しやすい、割れやすい)、接触してはいけない部分(基盤、液晶パネル)などを避け、繊細な構造にぴったりと適合するオーダーメイドな設計が必要となります。ご依頼内容にあわせ、ご提供いただいた図面やサンプルから必要な緩衝設計を試作し、試作品を作成することが可能です。

美倍紙業では、包装試験用のサンプル製作にも対応しています

落下試験や輸送試験が必要となる場合、試験用に試作品を作成することが可能です。当社ではサンプルカッターを用い、量産用の抜き型を作成する前に試作品を作成することが可能ですので、試験の結果を受けての仕様変更にも、無駄に抜き型の作り直しを行うコストを払わずに、包装仕様の修正が行えます。(量産用の抜き型を作成後は、仕様変更には抜き型修正費用が必要となる場合がございます)

精密機器の段ボール包装設計に関する改善事例

当社で実際にお客様からのお悩みを解決した精密機器包装の事例をご紹介します。

積層パッド使用により、製品保護性のアップと梱包作業の効率化
段ボール緩衝材でディスプレイモニタの梱包コストダウン・環境対応

精密機器の包装設計は、段ボール包装設計マイスターまで

段ボール包装設計マイスターを運営する美倍紙業では、これまで培ってきた包装設計のノウハウを活かし、精密機器に最適な段ボール梱包をご提案させていただきます。

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