魅力的な贈り物も、包装している箱が綺麗でなければ台無しです。段ボールはそのコストや強度に目を向けられがちですが、工夫を凝らすことで美しさを伝えることが可能です。 今回はタンブラーを2個包装したギフトボックスで、より箱の出 […]
魅力的な贈り物も、包装している箱が綺麗でなければ台無しです。段ボールはそのコストや強度に目を向けられがちですが、工夫を凝らすことで美しさを伝えることが可能です。 今回はタンブラーを2個包装したギフトボックスで、より箱の出来上がりを綺麗に見せる設計をご紹介させていただきます。
段ボールのギフトボックスとして最もよく目にする形式は組箱(N式箱)です。
このタイプの箱は、前面または側面に額縁構造を持ち、高級感や重厚感が感じられます。その為、贈答用として選ばれことの多い形状と言われています。また、底面が1枚板の平らな構造であるため、内容物の安定性が高く贈り物用には最適と言えます。
高級感が感じられ人気の額縁構造ですが、弱点も存在します。 段ボールはその構造上、段ボールシートに対して垂直に折れるか平行に折れるかで、折り曲げやすい方向(きれいに折れる方向)と折り曲げにくい方向(きれいに折れない方向)が存在します。従来の組箱(N式箱)では前面と側面の両方に額物をつけようとすると、必ずどちらかは折れにくい(きれいに折れない)額縁となっていました。
>>>【課題解決事例】段ボールが綺麗に折れ曲がらず折れ目が乱れる問題の解決事例
今回行った設計では、この弱点を克服し、三方向全ての額縁がきれいに折れ曲がり、額縁本来の高級感を保った形状に仕上がっています。
今回の設計では、折れにくい方向ができてしまう弱点を克服するため、あえて箱全体を45度傾けて作成するという方法をとりました。 図面を見て頂いてもわかるように、全ての罫線(折れ曲がり線)が斜めに描かれており、折れ曲がりにくい方向に折れる罫線が存在しません。
この設計により3方向全ての額縁がきれいに折れ曲がるようになり、美しい箱の製造が可能となりました。 また、材料となる段ボールの面積も、従来のギフトボックスと変わらずコストもそのままでの製造が可能となりました。
今回の設計では45度斜めに傾けることにより、折れ面のきれいな箱の設計に成功しましたが、全ての箱で罫線(折れ曲がり線)を45度傾ければ良いというわけではありません。 罫線を傾けることでのデメリットも存在し、お客様が箱に求める機能や段ボールが本来持つ特性を正確に把握しなければ、満足のいただける箱の設計は不可能と言えるでしょう。
当社では、お客様との綿密な打ち合わせとこれまでに蓄えてきた包装設計のノウハウを活かし、より美麗で機能性に優れた段ボール箱の設計を目指しています。
今回紹介させていただいたギフトボックス以外にも、様々なタイプの箱を日々設計しています。 段ボールの包装設計をお考えの方は、是非一度当社にご相談ください。