輸送中や倉庫保管時に段ボールが「つぶれる」トラブルは、製品破損に直結する深刻な課題です。大抵は「材質を厚くする」ことで解決を図ろうとします。段ボールのつぶれを防ぐには、物理的な圧縮強度、湿度への耐性、そして「中身に合わせ […]
輸送中や倉庫保管時に段ボールが「つぶれる」トラブルは、製品破損に直結する深刻な課題です。大抵は「材質を厚くする」ことで解決を図ろうとします。段ボールのつぶれを防ぐには、物理的な圧縮強度、湿度への耐性、そして「中身に合わせた構造設計」の視点が不可欠です。包装設計で活用している強度計算の考え方や、最適な材質選定のポイントをお伝えしていきます。
1. 段ボールの「つぶれ」とは?
物流現場における段ボールの「つぶれ」とは、主に垂直方向の荷重に耐えきれず、箱が変形する現象を指します。これを専門用語で「圧縮強度の不足」と呼びます。段ボールが潰れると、外装の見た目が悪くなるだけでなく、中身の製品に直接荷重がかかり、破損や変形を引き起こします。
特に注意すべきは「経時劣化」です。段ボールは箱詰め直後が最も強く、時間の経過や保管環境によって強度は徐々に低下します。設計段階では、出荷直後の強度だけでなく、長期保管や積み上げ(段積み)を想定した「安全率」を見込むことが、事故を防ぐための大前提となります。
2. よくある失敗事例:なぜ「厚くしたのに潰れる」のか
「段ボールをAフルート(約5㎜)からWフルート(約8㎜)に変えたのに、まだ潰れる」ということがあります。これは、原因が材質の厚み以外にある場合に起こる典型的な失敗です。
よくある事例の一つが、中身と箱の間に「隙間」が多数にあるケースです。製品が箱の中で動くと、荷重が一点に集中し、箱の角が折れ曲がってしまいます。
また、冷蔵・冷凍品や多湿な倉庫での保管も盲点です。段ボールは湿度を吸うと強度が低下します。
3. つぶれを引き起こす3つの主原因:材質・環境・構造の不一致
段ボールがつぶれる原因は、大きく分けて以下の3つの不一致に集約されます。
これらが複合的に絡み合うことで、設計上の計算値よりもはるかに低い荷重でつぶれが発生します。現場の環境・状況を無視した選定が、つぶれに繋がる原因になります。
4. 設計視点での解決策:強度計算と最適なフルート構成
つぶれを防止するためには、理論に基づいた「圧縮強度」の設計が必要です。段ボールの強度は一般的に「ケリカットの式」などで算出されますが、実務では以下のポイントを優先して調整します。
| グレード | 特徴・原料構成 | 強度(コシ) | 主な用途・利用シーン |
| C5 | 古紙含有率が非常に高い。コスト優先の標準材質。 | ★☆☆☆☆ | 内箱、軽量物の発送、緩衝材(パット) |
| K5 | クラフトパルプを配合。繊維が長く、粘りと強度がある。 | ★★★☆☆ | 一般的な宅配用、飲料・食品の輸送 |
| K6 | K5の配合で紙を厚くしたもの。垂直荷重に強い。 | ★★★★☆ | 重い製品、長期保管、海外配送 |
| K7 | 最高クラスの強度。手で曲げるのが困難なほど硬い。 | ★★★★★ | 超重量物、輸出用強化段ボール |

5. 実務で役立つ!つぶれにくい箱を作るための3つの重要ステップ
強度の高い箱を安定して導入するために、以下の手順を推奨します。
「今の箱が潰れるから厚くする」というただの対処法ではなく、物流全体を見通したトータルな設計視点が、コストダウンと品質維持を両立させる鍵となってきます。
まとめ
段ボールのつぶれ防止は、単なる「硬い紙選び」ではありません。物流環境を把握し、湿度や保管期間による強度低下を予測した上で、適切なライナーとフルートを組み合わせる「設計力」が問われます。
このステップを踏むことで、製品破損のリスクを最小限に抑え、かつ過剰包装によるコスト増を防ぐことが可能になります。
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